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第一回 Vol.5 DX人材の活用に向けて

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第一回のアジェンダは、広義のAIの活用によるDXとそのポイントについて。
中部電力グループにおけるDXの現状と今後の方向性<アドバイザリーボードvol.4> の続きです。

DX人材の採用と育成

TCA西 浦
次にDX人材の採用及び育成についてです。
本来であれば業務とセットで考えるべきものですが、人材育成というテーマのみが先に走ったり、人事制度がないゆえにDX人材の採用が滞ってしまったりする点に課題があります。どのように解決していくべきでしょうか。
ACN保 科
採用に関しては、単に学歴で判断するのではなく、チャレンジ精神があり、ピンポイントでもコアになる人材をまず獲得していただきたいです。

採用後には、研修で育てるというよりも、失敗も含めてよい実践経験を積むことが重要です。ゆえに、よいプロジェクトを作ることがベースとなるため、人が育つかどうかという観点から、時に案件を選別することも必要でしょう。人が育つ案件をどれくらいの割合で持つのかも会社の戦略になります。

アクセンチュアの中でも、データサイエンティストを抱える私のグループは、さまざまなプロジェクトから引く手あまたです。各プロジェクトの内容を精査した上で、配属は本人がどのプロジェクトに入りたいかを最も重視します。
TCA西 浦
中部電力グループ内の各社でもデータ分析人材を採用しています。しかし、力を発揮する場がなかったり、携わっているプロジェクトに魅力を感じられなかったりすると、離職に繋がる可能性があります。

そのため、グループ全体でもそのような方々へミッションを与えてあげることが重要です。
TCA野 田
事業会社や事業部で採用している人材は、登用の目的が定めきれていないケースもあると思います。
このような場合はTCAに来てもらい、目的を共に整理することで、自ら目的設定ができる人材に育てて事業会社に還していくプロセスも一案と考えています。

取り組むプロジェクトを見せ、経験できる内容を示すことで人材を引き寄せ、実際に経験を積むことでスキルアップして還していくプロセスです。
ACN保 科
その観点は大切ですね。先に紹介したヘルスケアのプロジェクトも、私が社会的意義や当該分野での人材の育成を考えて始めたものです。
優秀な人材は感度が高いため、社会課題の解決など中長期的な観点で取り組んでおくべきようなプロジェクトには、人材が集まります。
そういった観点でもプロジェクトを立ち上げていっていただきたいです。

新たな価値の創出に向けて

TCA西 浦
最後のテーマである、「他企業とのコラボレーションによる新たな価値の創出」に話を移します。

社会課題への貢献は、TCAの魅力拡大の観点からも取り組んでいく必要があります。
先に話が出た自然災害のような課題の中では、水道や水位の測定、ダム絡みのテーマなどは早期に進められそうな印象を受けています。

このようなテーマから進めることはいかがかでしょうか。
ACN保 科
さまざまな会社と付き合う中で、よい会社とよい形でチャレンジをしながら進めることが大切だと考えています。
アクセンチュアは全業界をカバーしているため、共に進めさせていただきたいです。
TCA野 田
現在水力発電で、より効率的な運用をしたいという話が出ていますが、これは防災にも深く関わると考えています。
ダムは国交省や農水省など国が保有するものや自治体が保有するものもあります。それぞれに管理システムがあり横の連携は未だに電話で行っていることも。ここは効率化できるはずですが、事業主体が違うことや河川を管理する法律や罰則があり責任境界ができているため、分断されています。ここをどのように統合していくのかは大きな社会課題ともいえるでしょう。
一昨年前に長野で洪水が起こり、その時は変電設備が被害を受けましたが、水系によっては人が巻き込まれる可能性もあります。このような問題は、平常は効率的に運用しながらも、非常時の運用方法で大きく事態が変わります。

ダムの運用はアナログな部分がまだ残っており、改善の余地があります。気候変動が大きくなっているご時世なので、自然と向き合う課題ではありますが、TCAが一定の役割を担うことができれば、認知度が高まることもあり、興味があるテーマです。
ACN保 科
そういった取り組みに関しては、例えば損害保険会社とともに課題解決に向けた仕組みづくりを協議し、そこから政府・自治体と共に横展開するといったことも検討できると思います。
TCA西 浦
もう一つの観点として、こうした取り組みを行う上で、マーケティングやセールスの力を持っていることも重要です。
アクセンチュアを含め、様々な企業とコラボしソリューションを提供していくことでTCAの認知度を高められるよう積極的に取り組んでいきたいです。
ACN渡 邊
カルチャー変革に関して気になっている点が、TPS(トヨタ生産方式)の取組み。
自立的かつ継続的な変革をするマインドセットを身に着ける趣旨のものであるがゆえ、目の前の小さな効率化に目が行ってしまっているところがあるように感じます。

DXは大きな目線で全体を見渡す必要がある中で、ダブルスタンダードのようなメッセージが現場に伝わってしまわないかという心配があります。
TCA野 田
先日、中部電力の役員が出席するDX推進会議があったのですが、自分もその場で同じことを指摘させていただきました。
ACN竹 井
林社長にお会いした際に「システム化・デジタル化を徹底して行う」という話をされていました。そのことから、中部電力の中にどのようにDXを推進していくかのイメージがあるのだと感じます。
TCA栗 林
保科さんから示唆いただいた最初の設計・経営の目標が重要という点。渡邊さんから指摘いただいたダブルスタンダードの点。現場とTCAの棲み分けの点。
中部電力はその辺りの設計がまだまだ十分でない状況と理解しました。