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第三回 Vol.5 TCAの人材課題に対する取り組み

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第三回のアジェンダは、TCAとして注力する案件の方向性と個別事例の振返りについて。
TCA実施案件から見える課題と学び(3)<アドバイザリーボードVol.4> の続きです。

人材育成の課題

ACN五十嵐
人材に関して、TCAとして何人ぐらいの規模に成長させたいという目標はありますか。
TCA野 田
今は社員10人強、委託先の方も含めると20人強で事業を回していますが、現時点でもメンバー数の割には仕事が多いと思っています。

今年も多少は中部電力グループ外の仕事もしていますが、外販比率を上げていきたいため、今後5年程度で倍程度の人数が必要ではないかと感じております。そうでなければ、外販はおろかグループ内の仕事も十分にできません。外に打って出ることで能力をアピールしていかないと、よい人材も入社してくれないと考えます。

初年度でこれほど多くの仕事がいただけると想定していなかったというのは正直なところです。
ACN五十嵐
事業がうまくいっているということです。会社を立ち上げ会社自体が悪くなくとも、ニーズが出てこないケースもあります。TCAの場合は、互いにニーズもあって案件も多くあるので、今なら自信を持って人数を増やそうと言えるのではないでしょうか。

何を言いたいかというと、ある程度プロパー社員化を進めなければならないということです。出向者が中心だと、人材として育ったとしても出向元に帰ってしまいます。また、出向元に帰った際に、自分の能力を活かせない部門に配属されると会社を辞めてしまうケースも考えられます。ゆえに、社員をプロパー化し、会社をブランド化していくことも必要です。
TCA西 浦
仕事をいただけるのは非常にありがたいことです。それらを通じてデータ分析だけをするのではなくデータを活用する戦略を一緒に考える会社であることを、一定程度は理解してもらうところまで来られたという自負はあります。

多くの案件に取り組みつつ人材を育てるとなると、難しい側面もあります。原資も必要ですし、人材を育てられる人を手当てしなければなりません。TCAの中ももちろんですが、中部電力から求められる部分にも対応しなければならないという悩みは常に抱えています。

最適な業務分担とコラボレーション文化の醸成

ACN竹 井
実施を延期している案件もあるのでしょうか。
TCA野 田
次年度まで待ってもらっている案件もあります。
CE 内 田
そういった意味では、新しいことへの取り組みももちろん必要ですが、ベース案件も持ちつつバランスをとる必要があるかと思います。
TCA西 浦
仰る通りです。ソリューションのようなものも作っていかないといけないと感じています。
TCA野 田
一定の利益を確保しつつ、どのように投資をしていくかということを、来年度予算も見据えながらメンバーと会話しています。
資金の手当については、銀行からの借り入れもできるようにしています。会社運営は、地味ですがしっかりと進めています。
ACN五十嵐
今いるメンバーはいずれ出向元に戻ることを前提としているのでしょうか。
TCA野 村
中電シーティーアイ(CTI)からの出向者が多いですが、TCAのコアなスキルにマッチする人とそうでない人がいます。人材を入れ替えながら見極める必要があると考えています。
ACN五十嵐
CTIのような会社とTCAのような会社について、どのように組み合わせながらサービスを提供していくかは考えねばならないところです。
TCA野 田
現実に分析モデルの構築はTCA、システム化はCTIという形で進んでいる仕事もいくつかはあり、役割は整理されている状態です。
TCA野 村
役割が重複するところの棲み分けは徐々に進んでいます。
TCA野 田
今までは既存事業に関連する部分のみでしたが、事業創造本部で手掛けているTSUNAGU Community Farmなどについても、気流などの環境データを活用して生産性を上げるような取り組みができればよいと思っています。既存事業と新規事業、それぞれでやるべきことはあります。
TCA西 浦
新規の取り組みを行うためにも原資を確保しなければなりません。既存事業ではコストカットに留まらず生産性を向上することで、より良いものに人も物も資金も投入しなければならず、そこにデータの力を使えるとよいと思っています。

案件を進める中で、先ほど伊藤さんも仰っていたような、タレントマネジメントのような話も出てきています。

現場の方々もいろいろと改善案をお持ちなのですが、実現は厳しいと考え案件規模を矮小化してしまっている部分も見受けられます。そこには順序があり、最終的なゴールを設定しつつも、まずはコアからやりましょう、上層部への説明の仕方も含めて一緒に未来を描きましょう、といったことにも共に取り組んでいます。

伴走してくれる人が欲しかったという話も出てきています。コンサル側の陣容もそれなりに厚くしないと、相乗効果を産むための体制にならないと感じています。
TCA野 田
壁打ちをしていると、当事者の感覚も研ぎ澄まされてきて、本当の課題が見えたり気づきが生まれたりします。その中で、この部分はデータ分析、この部分はシステム化という話が出てきて、結果としてこの形で進めようという話に繋がることは確かにあります。手間とコストがかかる部分ではありますが。
CE 伊 藤
業務の実態が分かっている人が前捌きをする必要があります。問題点やその解決法を一度考えてからTCAに案件を持ち込むと効率的です。なかなか難しくできていない部分ではありますが。
グループ内の事業会社同士での出張サービスのような形でも得意分野を相互に補完しあうようなことができればよいのですが、そこに未だ壁があるのが大きな課題です。
TCA西 浦
コラボレーション文化をどのように醸成するのかについては、実際の案件でも議論しています。一つの案件に限った話ではなく、よりよい働き方をするために相互に知見を活用することは重要です。

一方で、やはり自分のテリトリーを守る意識や、頼ることが恥ずかしいという意識で、情報の共有や助けを求めることをしない人がいるのも事実です。
一人ができる範囲は限られています。人の力を借りながら、より価値を提供できる方法を考える方向に意識を変えてもらうためにも、仕掛けが必要だという話をしています。
CE 伊 藤
中部電力グループは横の情報共有が上手くなく、本部が分かれるだけで連携がなくなったりします。DXと呼ぶには恥ずかしいですが、その部分を打開するために、デジタルコミュニケーションツールを用いて横の部門と繋がりを持つなどしながら、文化を変えていく必要もあると考えています。
TCA野 田
多くの部分で連携がとれていない状況、いわばサイロ化しています。外から見ると同じような取り組みをしていると分かることでも、当事者になると横の部署が何をしているのか理解していないし、聞かないといった問題も現実にあります。

我々としては、そこを上手く繋ぐことを考えています。潤滑油としての役割を果たすことは全く問題ないですが、ここにリソースを割きすぎると業務が回らなくなるため、工夫が必要だと考えています。
Vol .6 データガバナンスの在り方(1) に続きます。