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第五回 Vol.1 AI能力による企業区分と中部電力グループ①

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第五回 Vol.1 AI能力による企業区分と中部電力グループ①

第五回アドバイザリーボード

  1. 日時
    2022/7/13(水)10:30〜12:10
  2. 場所
    TSUNAGU Community Analytics(TCA)執務室内
  3. 参加者
    アクセンチュア(ACN)
    ◇ 五十嵐:取締役副社長
    ◇ 竹 井:常務執行役員 素材・エネルギー本部 統括本部長
    ◇ 保 科:執行役員 ビジネスコンサルティング本部 AIグループ日本統括 シニア・マネジング・ディレクター
    ◇ 渡 邊:素材・エネルギー本部 マネジング・ディレクター
    中部経済連合会
    ◇ 増 田:専務理事
    中部電力(CE)
    ◇ 伊 藤:副社長執行役員 経営戦略本部長 CIO
    ◇ 三 谷:経営戦略本部 DX戦略推進室長
    ◇ 内 田:ITシステムセンター長
    TCA
    ◇ 野 田:代表取締役社長(中部電力 専務執行役員 事業創造本部長)
    ◇ 栗 林:取締役(中部電力 事業創造本部 データプラットフォームユニット長)
    ◇ 野 村:取締役(中電シーティーアイ 取締役 専務執行役員)
    ◇ 十 倍:マネージングディレクター チーフデジタルオフィサー
    ◇ 西 浦:ストラテジー&コンサルティングユニット長
  1. Vol.1 AI能力による企業区分と中部電力グループ①
  2. Vol.2 AI能力による企業区分と中部電力グループ②
  3. Vol.3 中部電力グループにおけるMLOps①
  4. Vol.4 中部電力グループにおけるMLOps②
  5. Vol.5 中部電力グループにおけるMLOps③
  6. Vol.6 中部電力グループの目指す方向性

AI活用・浸透度調査

2022年6月にアクセンチュアが発行したレポートでは、世界1176社のAI活用・浸透度調査が纏められ、各企業を「基礎的なAI能力」と「差別化AI能力」という2つの軸で評価し、4つのグループに大別しています。
「AI活用先進企業」(AI活用の戦略や付加価値を生み出す運用能力を兼ね備える企業)は、その戦略実現に向けての体制が組まれ、成果が上がり始めている企業です。さらに、このグループはAI等を活用していこうというカルチャーがあるという点も大きなポイントです。これに対して、「AI戦略先行企業」(AI活用戦略は先進的である一方、運用面で改善の余地がある企業)はAI等を活用することで自身が何をしたいかという部分については明確に理解している企業であると言えます。「AI実証企業」(AI活用の戦略や付加価値を生む運用能力の両面で成長の余地がある企業)は、まだ「人材育成が必要」な段階の企業であると言えます。

中部電力グループは、PoC(Proof of Concept/概念実証)から業務適用に移行しようとしている断面であり、4つのグループの中では「AI戦略先行企業」に該当します。なお、このグループは企業全体の13%となっており、全体の63%を占める「AI実証企業」から抜け出しているという点でプラスに捉えることができます。
今後は、さらにAIを運用していくことで企業全体の12%である「AI活用先進企業」へとシフトしていくことが必要です。

AI活用先進企業の特徴

このように、各企業がどのポジションに該当するかということも重要なのですが、さらに重要なのは「AI活用先進企業」に該当する企業にはどのような特徴があるのかということです。具体的な特徴として、以下の5つを挙げることができます。
まず、スポンサーシップが強力である点です。企業戦略とAIがしっかり融合しており、かつそれが継続的なアクションに繋がっています。
2つ目は、投資の優先順位が明確な点です。長期目標に照らして、どのように新たな技術開発をしていくのかがはっきりとしています。
3つ目は、人材投資に積極的であることです。AIの人材要件は特殊なところがありますが、それらをしっかりと定義付けし、人材の獲得や育成を行っています。
4つ目は、責任のあるAI運用をしていることです。設計当初からポリシーをもって継続的にAIを活用できています。
そして最後は、MLOps(機械学習チームと開発チーム、運用チームの開発工程と運用工程をパイプライン化してデータ処理やコミュニケーションを円滑にするとともに、バージョン管理やデプロイ(deploy/プログラムを然るべき場所への配置、適切な設定の実行などにより、使用可能な状態にすること)などの自動化によって生産性を向上させる考え方)とも繋がる話ですが、AIの工業化ができているという点です。

なお、このレポートの対象となった「世界1176社」のうち、日本企業は約100社となっています。残念ながら、グローバル企業と比較して、「AI活用先進企業」に入る日本の企業は少ないのが実情です。
TCAとしては、自分たちがどのように「AI活用先進企業」になっていくのかを考えると同時に、中部電力グループや中部地域がこのグループにシフトしていくために、どのような支援ができるのかについても考えていく必要があります。

Vol .2 AI能力による企業区分と中部電力グループ② に続きます。