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第五回 Vol.5 中部電力グループにおけるMLOps③

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体制構築に向けて

MLOpsの体制のなかで最も重要な役割を果たすのが業務主管部なのですが、これまで議論した内容を理解できる人材は、現状では多くはありません。AIが理解できずアレルギーを持つ方もいることは想像できますので、中部電力グループにおいては経営戦略本部の中でチームを組成し、そのチームに現場からもそれなりのケイパビリティをもった人を出してもらうことも一案です。さらに言えば、その人に案件を運用してもらうことが理想ですが、このような人材は得てして現場のキーマンであることも多く、実際にそのようなチームを組成するには困難も伴うでしょう。

ナレッジ蓄積の仕組み

その一方で、モデルを活用した業務運用を理解しようとする方々が増えてきていることも事実です。このような努力を単発で終わらせないよう、そういう方々が参加するコミュニティやナレッジを共有する仕組みも必要です。
やはり組織として知見を残していくことが必要だと考えられます。案件を経験した人材はその場での実体験として理解を深めることができるため、ノウハウを現場に還元してもらうのが理想です。また、キーマンがどのように運用しているのかを周りの人が見ることで、全体のケイパビリティも上がってくると考えられます。しかしながら、案件の立ち上げの段階では、悩みを相談できる場やそれらの解決方法を含むナレッジ蓄積の仕組みが必要です。これらのナレッジが広く浸透すれば、最終的にはスリム化された体制として、モデル改善~システム化~運用という流れを構築することができます。
TCAにおいて中部電力社員が参加するインターンシップが始まりますので、目的や仮説を作りながら、そのような方々とも今後の展開を一緒に考えていくことになります。
中部電力グループ自体でも、広く多くの社員にナレッジを浸透させることを意識した人材育成を行っていくべきでしょう。

ケイパビリティの補完

このように、MLOpsの運用に携わる人材には、深い業務知識があり、問題の所在について都度フィードフォワードできるようなハイレベルな能力が求められます。
この点、TCAと主管部と共にPoCを行う際にも、エンハンスを見据えて当初からシステム部門の方に関わってもらうことで上手く将来に繋がる連携ができています。その際には、どちらが主というような線引きをしないようにして、検討内容や不足していた部分などを共有しながら進めるようにしています。
標準的なの枠組みのなかで1つのユースケースを経験することが大切です。たとえ大きな案件でなくても、プロジェクトチームを作って動かすということも有効であると考えられます。

Vol .6 中部電力グループの目指す方向性 に続きます。