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第五回 Vol.2 AI能力による企業区分と中部電力グループ②

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経営コミットメントの重要性

DXを推進しようとする企業の実態としては「人材育成」に目が行ってしまうケースが多く、「何をやりたいのか」や「どのような体制が必要なのか」までは明確になっていないことが見受けられます。
実際にDXを推進していく場合には、まずデータがないという問題が起こり、人材がいない、システム基盤をどうするかという課題に直面しますが、いざシステムができあがったとしても、そこから何をしたら良いのかがわからないという場合が多いのです。
DXのうち「D(Digital)」は進めることができたとしても、「X(Transformation)」を実現することが難しいということです。

DXの実現には、まず、経営レベルでデータを活用した業務変革の意義や方向性を理解し、さらに経営層に近いスタッフがデジタル化によって何を実現できるのかを理解し、手を動かして体制作りのために帆走することが必要です。
経営層がすべてを正しく把握して判断するには限界がありますので、それを補佐する立場の方の役割も重要です。

中間管理職の役割

DXが難しい一つの理由として、現場でプロジェクトを進めようとするスタッフが、経営層からのDX推進の指示と自らの意思を、中間管理職を介して繋げることが難しいという点があります。
現場の言葉だけで経営層に上申するのは難しいため、うまく中間管理職に翻訳してもらいながらエスカレーションしていくことが必要です。
他方、中間管理職の観点では、プロジェクトのリーダークラスの方々が、経営層の目線をもってプレゼンすることや、若手の考えをしっかりと理解することが大切になってきます。そのような取り組みが上手くいかないときには、フォローする仕組みも必要でしょう。
現場でDXを進めている人たちも、100%将来を予見できているわけではありませんので、とりあえず実際にデータを使ってモデルを回してみるといったようにアジャイル的に実施してみることも大切です。
さらに、場合によっては経営層がミドルを飛び越えて現場に発信するということも必要なのかもしれません。
いずれにしても、このような課題があることを経営層の方にも知っていただくことが大切です。

人材育成と雰囲気作り

中部電力においてもいろいろと議論をしていますが、AIありきではなく、まずデータをもとに考えていくということも大切にしています。実際にAIを絡めるか否かというのは、その次の話になります。

AIの活用方法には、効率化を含む業務の変革と、新たな価値の創出の大きく2つがあります。
後者については比較的、話が進みやすいのですが、前者は既存の業務のやり方を変えていくことになるため、心理的なハードルがあることも少なくありません。
「X(Transformation)」をどのように実現するのかという話がありましたが、ただの「評論家」になってしまってはこれを成し遂げることはできません。業務に深く入り込んで変革のアイデアを全員で共有しあうことが大切なのです。

結局のところ、DXは人材育成と会社の雰囲気作りの両輪で進めていかなければならないと言えます。意識の高いスタッフが、上層部に話を通せず苦労していることがありますが、このような場合にも雰囲気作りが大切です。
また、DXを進めないことによる機会損失について早い段階で気がつくことも重要です。世の中は変化のスピードが速いため、DXも加速していかなければなりません。
TCAの働き方もDX推進の参考になると考えており、中部電力グループの社員が参加するTCAでのインターンシップを実施する予定です。

Vol .3 中部電力グループにおけるMLOps① に続きます。